草野翔の経済コラムPart1 21世紀のアジアンドリーム

21世紀はアジアンドリームの時代となり、それを欧米諸国も参考にすべきである。

世界的なメガバンク、HSBCでかつてCEOを務めたスチュアート・ガリバーは20世紀のアメリカンドリームは21世紀のアジアンドリームにとって替わることになると指摘した。これは欧米の「専門家」とは全く違う見方であり、結論から言うとスチュアートは正しかった。

もちろん、平均的な中国人やインド人の給与水準がアメリカやイギリス並みになるというわけではない。しかし、中国やインド政府は上手く問題を解決しようとしているように思える。

アジアンドリームを支えるのは何か?おそらく製造業の活性化、弱い自国通貨、一次産品の価格下落、調整インフレ、地域内貿易の拡大と言えるものだろう。つまり言い換えるとドルやユーロで購入する欧米人と比べて、アジア人は同じモノやサービスを自国通貨で割安に購入できる可能性が高い。

アジア人はアメリカで言う金持ちになる必要がない。少なくとも十分いい生活を送るには平均的な給与で事足りる。それを維持するために、アジア各国の政府は雇用の維持、公的サービスの促進や物価の安定に軸を置いてきた。いい例は中国で、2014年の不動産バブル崩壊後はQOLの引き上げに軸を置いてきた、まるで石油危機後の日本のように。インドやベトナムもこの政策を参考にし、追随するだろう。

これは中間層の生活水準低下に悩まされている「成功した」欧米諸国も参考にすることになるだろう。FRBのバーナンキ元議長は金融相場の安定化には成功したが、国民の生活水準の復活には熱心に取り組むことを放棄した。だが、このような「横暴」も長く続くことはないだろう。少なくとも国民のことを考えれば欧米諸国はパラダイムシフトを率先して実施する必要があるだろう。

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