飲食業界はコロナウイルス感染拡大防止のために時短営業や席数の削減を余儀なくされたこと、そして公的支援の不足や外出を避ける人の増加により過去最大の危機に突入した。しかし、このようなときに新しいスタイルが生まれ、普及するのも事実だ。
リーマン危機の後、アメリカでフードトラックが注目を集めた。レストランを解雇された若い有望なシェフがトラックを借り、自分の腕を披露する場として使い始めたのだ。2016年頃にはオフィス街や公園にフードトラックが集まることも増加し、ビジネスパーソンや家族連れが手軽にお腹を満たしていた。
今後注目されるのは、ゴーストキッチンだろうと予測する。ゴーストキッチンはまだ新しい言葉であり定義が定まってはいないが、多くの場合、イートインスペースを持たず、テイクアウトあるいはデリバリーのみに対応した飲食店を指す。このスタイルの魅力は実際に店舗を借りることなく、つまり自宅のキッチンで事業を始めることもできるということであり、また店舗を借りる場合もスペースが必要ないため出費を少なくすることが可能である。コストを抑えることで利益率を高くできればビジネスの安定にもつながる。配達についても今はUber EatsやDoordashを使うことが可能である。また副業として始めることも十分可能であると言えるだろう。
もちろんゴーストキッチンが主流派になるとは言わない。それはレストランでゆっくり食べたい日もあるからだ。しかし新たなスタイルとして一定の支持や知名度は得ることになるだろう。